「お言葉に甘えて」の意味と正しい敬語とは?よく使う例文・類語も

「お言葉に甘えて頂戴します」「それではお言葉に甘えて…」と目上の人との会話やビジネスシーンでは、「お言葉に甘えて」という表現を使うことがあります。「お言葉に甘えて」の詳しい意味、使い方をはじめ、よく使われるフレーズを例文で紹介します。また類語や言い換え、英語訳についてもあわせて解説しましょう。

「お言葉に甘えて」の意味と使い方

「お言葉に甘えて」の意味は「親切な気持ちを受け入れる」

「お言葉に甘えて」とは「相手の好意、親切心を受け入れる」という意味です。相手の気遣いや援助の申し出を受け入れること、また相手の親切な申し出に素直に従うことを伝える際に「お言葉に甘えて(~します)」などと使用します。

「お言葉に甘えて」は目上の人に使える表現

「お言葉に甘えて」の「お言葉」とは相手の発言を意味します。「お」をつけて尊敬語にすることで、目上の人にも使える敬語表現となっています。また、「甘える」はこの場合「相手の好意に遠慮なくよりかかる」という意味であるため、「目上の人の好意に遠慮なくよりかかる、目上の人の親切な申し出を受け入れる」というニュアンスになるのです。

「お言葉に甘えて」は相手の申し出を受けて使う

「お言葉に甘えて」は相手から何らかの援助の申し出があった場合に使用します。たとえば、上司が「休んだら?」と声をかけてくれた場合には「お言葉に甘えて…」と前置きした上で休暇を取ることができます。上司からなんのアクションがない場合には「お言葉に甘えて」と使うことはできません。

目上の人の「~したら?」「(代わりに)~しようか?」や「どうぞ」などといった親切心による提案に従う場合に「お言葉に甘えて」と使います。

「お言葉に甘えて」を使った表現と例文

「お言葉に甘えて休ませていただきます」とよく使う

「お言葉に甘えて」は「休ませていただきます」とともによく用いられます。たとえば「調子が悪そうだから今日は休んだら?/早退したら?」などの上司の言葉に従い、休暇を取ったり早退したりする際に使うことができる言い回しです。

お言葉に甘えて休ませていただきます」「お言葉に甘えてお先に失礼します」などのフレーズで使うことができるでしょう。

頂き物をしたら「お言葉に甘えて頂戴します」

目上の人に何かを勧められ、それに従い受け取る場合には「お言葉に甘えて頂戴します」と使います。たとえば「おひとついかがですか?」に対して「では、お言葉に甘えて頂戴します」といった具合です。

手土産を受け取る場合のほか、ビジネスでは新製品のサンプルを「お試しください」とすすめられた場合など相手が差し出したものを受け取る際に使える表現です。

「お言葉に甘えてお願いします」は依頼する際の表現

相手に声をかけてもらい、何かを依頼する際には「お言葉に甘えてお願いします」のフレーズが便利です。たとえば「ついでにA社の資料も用意しておくよ」と先輩に声をかけてもらった場合に「ではお言葉に甘えてお願いします、ありがとうございます」と使うことができます。

相手の申し出を受けて業務を代わってもらう場合に便利な表現ですが、多用すると無責任な印象を与えかねません。使用シーンや使用頻度には配慮が必要です。

「お言葉に甘えさせていただきます」でより丁寧に

「お言葉に甘えて~します」という言い回しのほか、「お言葉に甘えさせていただきます」の形でも使用することができます。

相手の申し出に素直に応じる際に使える表現で、「させていただきます」の言い回しがより丁寧な印象を与えます。先述の「お言葉に甘えて頂戴します」なども、この「お言葉に甘えさせていただきます」にかえても問題ありません。

より丁寧な言い回しにしたい場合には、「恐縮ですが」と前置きしたり、感謝の言葉を後に続けたりすることもあります。

例文
  • 恐縮ですが、お言葉に甘えさせていただきます。
  • それではお言葉に甘えさせていただきます。お心づかいありがとうございます。

「お言葉に甘えたいところですが…」と断ることも

「お言葉に甘えて…」という表現を用いることで相手の好意を丁寧に受け取ることができますが、安易に従っていると厚かましい印象を与えることもあります。相手の申し出を受け取らずに断る場合には「お言葉に甘えたいところですが…」と前置きして辞退するとよいでしょう。「お言葉に甘えたいところですが…」の後に、断る理由を述べることも多いです。

例文
  • お言葉に甘えたいところですが、別の用件もありますのでこちらで対応いたします。
  • (会議の後お酒の席を提案された際に)お言葉に甘えたいところですが、本日はこれで失礼します。

「お言葉に甘えて」の類語・言い換え表現

「ご好意に甘えて」に言い換えられる

「お言葉に甘えて」は「ご好意に甘えて」に言い換えることができます。「好意」には「親しみ、好ましく思う気持ち」という意味もありますが、この場合は「親切心、親切な気持ち」の意味で用いられています。「お言葉に甘えて」とは異なり、相手の明確な発言・申し出がない場合でも使える表現です。

「お気持ちに甘えて」も類語のひとつ

お気持ちに甘えて」とは、相手が示してくれた感情や気遣いを素直に受け入れることを意味します。「ご好意に甘えて」同様に、「お気持ちに甘えて」もまた相手の言葉がなくても使用できます。他にも、「ご親切に甘えて」や「お心づかいに甘えて」という表現も類語です。

同僚や目下の人には「遠慮なく」と言い換える

「お言葉に甘えて」は「言葉」を尊敬語の「お言葉」にかえた表現で、同僚や目下の人には使わない表現です。同僚や友人あるいは目下の人には「遠慮なく」というワードに言い換えましょう。「お言葉に甘えて」の「お」をとり、「言葉に甘えて」として使うことはできません。

また、素直に相手の好意を受け取るという意味では「遠慮なく」などの言葉を足さずに、感謝の言葉を述べるだけでもよいでしょう。

「お言葉に甘えて」の英語訳とは

英語では「your kind offer」を使う

英語で「お言葉に甘えて」を表現したい場合には、「I will take you up on your kind offer.」と表現することができます。直訳すると「あなたの親切な申し出を受け入れる」という意味です。「I will accept your kind offer.」も同様の意味になり、「お言葉に甘えてさせていただきます」の和訳があてられます。

「If you insist…」を使った英語表現も

あなたがそうおっしゃるのなら…」という意味の「If you insist」というフレーズを足して、「If you insist, then I’ll accept your kind offer.」と英訳することも可能です。ただし、「If you insist…」は「気が進まないけどそこまで言うなら」というニュアンスでも用いられるため、使用には配慮も必要です。

まとめ

「お言葉に甘えて」は目上の人からの親切な申し出を素直に受け入れる際に使う表現です。目上の人からの「お言葉」つまり何らかの申し出があるのが前提で、「お言葉に甘えさせていただきます」や「お言葉に甘えて休ませていただきます」「お言葉に甘えて頂戴します」などの言い回しで用いられます。相手からの明確な言葉がない場合には「お気持ちに甘えて」や「ご好意に甘えて」などの類語に代えるのが適切です。