「意向」の意味と使い方とは?「意向確認」やビジネス例文・類語も

「弊社の意向としましては…」と方針を示したり、「ご意向に沿えず申し訳ありません」とお詫びしたりと、「意向」はビジネスシーンでよく耳にする表現です。ここでは「意向」の意味とその使い方を例文で解説します。また、「意思」をはじめとした類語や言い換え表現、英語訳についても紹介しましょう。

「意向」の意味とは

「意向」とは「考え」という意味

「意向(いこう)」とは端的にいうと「考え」という意味です。「意」は思っていること、「向」には向かっているところ、という意味があります。このふたつの漢字を重ねる「意向」は、「どうするつもりかという考え、思惑」という意味になります。

「ご意向」の形で敬語としても使える

「意向」はビジネスシーンでは「考え」の改まった言い方として広く用いられる単語ですが、相手の「意向」を指す場合には「ご意向」の形で使用することも多いです。尊敬の接頭辞「ご」をつけることで、相手に敬意をはらったワードになります。「ご意向をお聞かせください」として、取引先など目上の人の考えを尋ねる際に使用できます。

「意向」の使い方とビジネス例文

「弊社の意向」「先方のご意向」の表現でよく使う

「意向」は自分の考えや方針を示す際にしばしば用いられます。「弊社の意向としましては…」や「私の意向としましては…」といった言い回しです。一方で取引先の「意向」を伝える際には「先方のご意向としましては…」という表現で使うことができます。相手がその場にいない場合には、「先方の意向」と敬語にせずに使うケースも多いです。

例文
  • 弊社の意向としましては、今後は首都圏だけでなく中部、関西に向けても展開していきたいと思っています。
  • 先方のご意向としては、他社の状況を見てから回答したいとのことでした。

「意向を示す」とは意見や考えを示すこと

「意向を示す」とは、自分の意見や考えを示すことを意味します。ニュースで耳にすることも多い表現で、「A幹事長は今週中にも党内の意見をまとめるとの意向を示した」などの使用が挙げられます。

「意向に沿う」とは相手の要望にかなった対応

「意向に沿う」は、相手の意見や要望にかなった対応ををすること、という意味で用いられます。たとえば「ご意向に沿うように調整する」というと「相手の意見、要望にかなうように調整する」というニュアンスです。

似た表現では「ご意向に沿えるように」や「ご意向に沿えない(=要望をかなえられない)」「ご意向に沿えず」などの使用例も挙げられます。

例文
  • ご意向に沿えない場合もございますので、あらかじめご了承ください。
  • ご意向に沿えず申し訳ございません。

「意向を汲む/意向を汲み取る」の形で使うことも

「汲む」「汲み取る」とは、液体をすくいとるという意味の他、相手の事情や心の内を推し量る、理解するといった意味を持つ単語です。そのため、「意向を汲む」は相手の意見を理解しようとする様や相手の意見を思いやるようなニュアンスになります。

また「先方の意向をすべて汲むと予算内にはおさまらない」のように、「意向に沿う」と似たニュアンスで用いられることもあります。

「意向に合わせる」とは相手の考えに合わせること

「意向に合わせる」とは、その人の考えに合わせることを意味します。たとえば「先方の意向に合わせて、柔軟に対応する」というと相手の考えに合わせた柔軟な対応をとること、という意味です。

なお、相手との会話において「ご意向に合わせます」と使えないわけではありませんが、この場合は「ご意向に沿うようにいたします」の言い回しを使うことの方が多いでしょう。後者の方がより丁寧な印象を与える表現です。

「意向」の専門用語としての使い方

保険用語「意向確認」とは申込者のニーズ

「意向」は保険の分野では申込者の考え、ニーズを指して用いられます。その例が「意向確認」で、保険業界では申込者のニーズが契約する保険商品の内容とあっているかどうかを確認することを「意向確認」と呼びます。

公務員の「意向確認」とは入庁意思の確認

公務員試験に合格した後にも「意向確認」が行われます。これは、合格者が本当に公務員として就職する意思があるのか、その考えを確認する場として設けられているもので、採用面接とは異なり簡単な質問形式であることが多いようです。一般には希望の職種や勤務地の希望に関する質問がなされることが多いでしょう。

「意向」と「意思」「意志」の違いとは

「意思」とは「何かをしようとする気持ち」

「意思」とは「何かをしようとする、その気持ち」という意味です。「考え」というニュアンスを持つ点では「意向」と共通していますが、「意思」がやや抽象的な意味合いで用いられるのに対し、「意向」は具体的な考えを指す点で異なります。

また、「意思」は法令用語として用いられることが多いのも特徴で、法律の分野では自分がしようとする行為に対する認識のことを指して「意思」といいます。

「意志」とは「実現しようという積極的な考え」

「意志」もまた「いし」と読みますが、「意志」は物事を実行、実現しようとする積極的な考えを指します。何かを実現しようとする積極的な心の働きを意味するほか、絶対に行いたくない、という考えを指しても「意志」と使うことがあります。

「意向」が「(物事を)どうしたいかという考え」であるのに対し、「意志」は「やり遂げようとする強い気持ち」を意味する点で異なります。

「意向」の類語・言い換えとは

「見解」「考え」などに言い換えられる

「意向」と似た意味を持つ単語では「見解」が挙げられます。「見解」とは「物事に対する考え方、意見」という意味で、「見解を示す」「見解を述べる」などの言い回しで用いられます。

また、「考え」や「意見」「心づもり」などに言い換えることも可能です。特に社内における会話では無理に改まった表現を使わずに、「考え」や「意見」といったワードを使用したり、「~するつもりです」といったフランクな言い回しを使用したりすることも多いでしょう。

「ご意向」は「ご要望」「ご意見」に言い換えも

取引先など目上の人に対して使う「ご意向」は、「ご要望」や「ご意見」といったワードに言い換えることができます。「要望」とは「物事の実現を強く求めること」という意味で、相手に望むことを指して「要望」と使います。

「ご要望」「ご意見」ともに、尊敬の接頭辞「ご」をつけた表現で、敬語として使えるワードです。

「意向」の英語訳とは

英語では「intention」を使う

「意向」は英語では「intention」を使用します。「I respect your intention.」で「ご意向を尊重します」という意味になります。

「intention」には「意思、意向、意図、考え」などの意味がありますが、「idea(考え)」や「plan(計画、方針)」「view(意見、見解、見通し)」なども「意向」の和訳が宛てられる単語です。

例文

What do you think of this plan?(この計画に対するご意向はいかがですか?)

まとめ

「意向」とは「どうするつもりかという考え、思惑」という意味の単語で、敬語では「ご意向」の形で使用します。「弊社の意向としましては…」と自らの考えを示す際に用いる他、「意向に沿う」「意向に合わせる」「意向を汲み取る」のように、様々な動詞と共に用いられます。「ご意向」の形では「ご意向に沿うようにいたします」と誠意を見せるほか、「ご意向に沿えず申し訳ありません」と謝罪する際、断る際にも使うことができます。汎用性の高いワードなので、ぜひとも覚えておきましょう。