「お疲れ様」は敬語?意味や「ご苦労様」との違い・代わる言葉も

「お疲れ様」は、多くの人が職場で日々見聞きしている言葉でしょう。しかし、敬語として目上の方に対して使ってもよいのか、気になることがあるかもしれません。この記事では「お疲れ様」の意味と使い方を詳しくみながら、敬語として適切かどうかについてや代わる言葉、「ご苦労様」との違いについても紹介しています。

「お疲れ様」の意味と使い方は?

「お疲れ様」はねぎらいの言葉

「お疲れ様」とは、相手の骨折りに対するねぎらいの言葉です。ビジネスシーンでは、業務に励んでいる相手に対して「お疲れ様」と声を掛けたり、同じ業務に携わっている人たちがお互いに「お疲れ」や「お疲れ様」と言い合ったりしている光景がよくみられます。

また営業や出張などを終えて帰社した人に対しても、「お疲れ様」がよく使われています。

「お疲れ様」は挨拶代わりに使うことも

相手をねぎらう言葉として使われる「お疲れ様」ですが、「こんにちは」や「さようなら」のなどの挨拶代わりとして用いられることもしばしばです。

社内ですれちがうときや終業した帰り際に、「お疲れ様」と声を掛け合う光景は日々の職場でおなじみのものでしょう。また異動や転勤などの送別会でも、退職者への言葉として「お疲れ様」がよく使われます。

「お疲れ様」は午後以降に使うことが多い

一般的に「お疲れ様」が使われる時間帯は、午後以降が多いようです。午前中に使ってはいけないというものではありませんが、昼休憩のあと終業に向けて疲労を感じやすいため、午後以降の使用が自然であるといえます。また甲信越地方では、午後からの挨拶として「お疲れ様」が使われています。

「お疲れ様」は敬語として正しい?

「お疲れ様」は敬語表現

「お疲れ様」は名詞の「疲れ」に敬語を作る接頭辞の「お」がついていることから、敬語として扱ってよい言葉といえるものです。「様」については敬称の「様」として扱う説と、「様子」を表す「さま・様」として扱う説があります。

「お疲れ様」の砕けた表現として「お疲れさん」があることから、敬称の「様」と考えることもできますが、「殿」で言い換えられないことから「様子」の「様」であると考えることも可能であり、明確にはされていません。

「お疲れ様です」は丁寧な印象に

実際に敬語として使われているケースでは、助動詞「だ」の丁寧語である「です」を付けて「お疲れ様です」とする用法がよくみられます。

もっと丁寧に表したい場合には、「です」を「ございます」に換えた「お疲れ様でございます」がおすすめです。

「お疲れ様でした」も敬語として使える

「お疲れ様です」の過去形である「お疲れ様でした」も、敬語として使って問題のない言葉です。「お疲れ様でした」を使う場面としては、業務が終了したときや他の人が退社するときがあげられます。

仕事をやり終えた相手に対して、「お疲れでしょう、ありがとうございました」というねぎらいと感謝を込めて使いましょう。

「お疲れ様」は目上の方に使える?

「お疲れ様」は目上の方や上司にも使える

「お疲れ様」は、ねぎらいの言葉です。ねぎらいは相手の苦労や努力を評価する行為で、本来は目上の人が目下の者に対して謝意を述べるものでした。そのため敬語として正しい形をしてはいるものの、「お疲れ様です」を目下から目上に対して使うのは失礼にあたるのではないか、という考え方も少なくないようです。

しかし、ねぎらいが共感や思いやりを示すものであることから、社内において「お疲れ様」を使用しているところも多くなっています。社内の人間であれば目上に対して使用しても差し支えありませんが、役員に対しては控えたほうがよいでしょう。

「お疲れ様」は社外の人には使わない

「お疲れ様」は社内の人間に対して使う言葉であるため、顧客や取引先に対しては使いません。代わりの挨拶としては、「お世話になります」が一般的によく用いられています。

なお、取引先であってもお互いに気の置けない関係にある相手なら、「お疲れ様です」を使っても問題はありません。

「お疲れ様」と「ご苦労様」の違いとは?

「ご苦労様」は目上から目下への言葉

「ご苦労様」は「お疲れ様」と同様に、ねぎらいの言葉として使われている言葉です。しかし「お疲れ様」とは異なり、「ご苦労様」は目下の者から目上の方に対して使うと失礼にあたります。

江戸時代には、目下の者が目上の人に対する挨拶として「ご苦労」が使われ、目上の人は「大儀(たいぎ)」と返していたのですが、明治時代になると逆転して目上から目下に掛ける言葉になりました。

「ご苦労様」は挨拶代わりには使わない

「ご苦労様」と「お疲れ様」とのもう一つの違いは、挨拶代わりには使われないということです。社内で顔を合わせたときや別れ際などに「ご苦労様」を用いることはなく、もっぱら相手の骨折りにたいするねぎらいの言葉として使われています。

つまり「ご苦労様」は「お疲れ様」に比べると、使える対象やシチュエーションが限定されている言葉だと言えます。

「ご苦労様」にはあざけりの意味合いも

「ご苦労様」の元になっている「ご苦労」という言葉には、相手の苦労が無駄であることへのあざけりや皮肉の意味合いもあります。

そのため「ご苦労様」も、時と場合によっては同じニュアンスで受け取られかねません。たとえば相手の苦労が水の泡となってしまったような場合では、「ご苦労様」を使わないほうが無難でしょう。

「お疲れ様」に代わる言葉・言い換え

「お手数をおかけしました」は負担をかけることへの謝罪

お手数をおかけしました」は、相手に負担をかけてしまうことへの謝罪の気持ちを表した言葉です。「お疲れ様」の言い換えとして目上の方はもちろん、顧客や取引先に対しても使うことができます。

また、「お手数をおかけします」の形で、メール文書の冒頭や結びの言葉としても使いやすい言葉です。なお、「お疲れ様」とは違って「お手数をおかけしました」を帰り際の挨拶代わりに使うことはできません。

「ご足労をおかけしました」は足を運んでもらったときの挨拶

ご足労(そくろう)をおかけしました」は、わざわざこちらへ出向いていただいたことへの謝意を表す言葉です。「足労」は「行く」「来る」のことで、本来なら自分が出向かなければならないのに、相手に出向いてもらうことになる場合に使います。

主に顧客や取引先のような社外の方に対して使うものですが、社外の方がいない場であれば自社の上司に対しても使うことが可能です。

「お先に失礼します」は先に退勤するときに使う

仕事を終えて先に退勤するときの挨拶としては、「お疲れ様」より「お先に失礼します」が適切といえます。「お疲れ様」は本来、相手へのねぎらいを表したものだからです。

残業する人への配慮としては、終業時間を少し過ぎたタイミングで声をかけることをおすすめします。なお、先に帰宅する上司に対しては「お気をつけてお帰りください」がよいでしょう。

まとめ

「お疲れ様」が敬語として正しいことや言い換えできる言葉のほか、「ご苦労様」との違いについても紹介しました。「お疲れ様」のようにいろいろな場面で使える言葉は便利ですが、いつでもどこでもそれで済ませてしまいがちになります。しかし、別の言葉で言い換えたり一言添えたりすることによって、相手への気遣いをさりげなく示すことができるのでぜひお試しください。