「お目にかかる」の意味とは?使い方の例文や敬語表現・類語も紹介

「お目にかかる」は、ビジネスシーンだけでなく式典などでもよく聞かれる言葉です。しかし敬語であることは理解できても、尊敬語と謙譲語の区別まで押さえておかないと正しく使うことは難しいでしょう。この記事では、「お目にかかる」の意味と例文のほか、正しい敬語での表現や類語なども紹介しています。

「お目にかかる」の意味とは?

「お目にかかる」の意味は「会う」

「お目にかかる」の意味は「会う」ことで、初対面以外の場面でも使用できる言葉です。

「かかる」は平仮名で表記されることが一般的ですが、漢字で書くと「掛かる」となります。「掛かる」は、「ぶら下がる」「高いところに掲げる」などのほかに、作用・影響が及ぶという意味を持つ言葉です。

「目に掛かる」という形で用いられる場合、相手の目に自分の姿が映るということから「目にとまる」「見られる」、つまり「会う」ということを表します。

「お目にかかる」には「会いに行く」という意味も

「お目にかかる」は単に会うことだけでなく、相手に会うために出向くという意味でも使うことができます。

「〇〇様にお目にかかりたい」はそちらに伺いたいことを表すことができるもので、面会や商談のアポイントを入れるときに便利な言い回しです。

「お目にかかる」は相手を見かけたときにも使える

「お目にかかる」は相手と対面したときだけでなく、こちらが一方的に見掛けたときにも使うことができる言葉です。

たとえば「先日の講演会場で、○○様にお目にかかりました」という言い回しは、相手に直接対面したときだけでなく、こちらが相手を見かけただけで相手はこちらに気づいていない場合でも使うことができます。

「お目にかかる」は謙譲語

敬語は大きく尊敬語・謙譲語・丁寧語の3つに分けられ、「会う」の場合はそれぞれ「お会いになる・会われる」「お目にかかる・お会いする」「会います」となります。

謙譲の意を強めたい場合には「お会いする」ではなく「お目にかかる」を用いるとよいでしょう。敬語では直接的はなく婉曲な表現をすることで節度を示し、目上の方への敬意を表すことができるからです。

もし適切な謙譲語がスムーズに出てこない場合は、言葉の前後に「お・ご」と「する」をつけて謙譲の意を表すことができるのでお試しください。

「お目にかかる」の使い方と例文

「お目にかかる」は自分の動作に使う

「お目にかかる」は、自分が誰かに会うことを指して使う謙譲語です。したがって「Aさんは先生にお目にかかりましたか」のように、自分以外の人に対して使うことはできません。

この場合は「Aさんは先生にお会いになりましたか(会われましたか)」のように、尊敬語を用いるようにします。なお、「お会いになられましたか」とすると二重敬語となるので注意が必要です。

謙譲語と尊敬語は動作の主体で使い分ける

謙譲語と尊敬語の使い分けは、わかりにくいケースが多々あります。たとえば「Aさんは先生にお会いになりましたか」とすべきところを、「Aさんは先生にお会いしましたか」としてしまうことはありがちな間違いです。

このような場合には、尊敬語は自分以外の人の動作を指し、謙譲語は自分や自分の身内などの動作を指すということを覚えておけば便利です。

「Aさんは先生にお会いしましたか」であれば、先生に会うのは自分ではなくAさんであるため、自分の動作に使う言葉である「お会いする」は誤りとわかります。

「お目にかかる」を使った例文

  • お初にお目にかかります。〇〇商事の△△と申します。
  • 当日お目にかかれることを、心待ちにしております。
  • ご担当者様にお目にかかりたいのですが、お取次ぎ願えますか。

「お目にかかる」と間違いやすい表現

「〇〇のお目にかかる」という表現は誤り

時折、「〇〇様のお目にかかる」という使い方をしている例が見受けられますが、これは誤りで「〇〇様にお目にかかる」としなければなりません。

「お目にかかる」に接頭辞「お」がついていることから、相手の目にかかると理解しての誤用と思われます。このような誤りをしないためには、「お目にかかる」を「お目に」+「かかる」ではなく、「お」+「目にかかる」(会う)」であると理解しておけばよいでしょう。

「お目にかける」とは「見せる」こと

「お目にかかる」と一字違いの言葉として、「お目にかける」があります。意味は目上の人に何かを見せることで、「お見せする」「ご覧に入れる」と言い換えることもできる言葉です。

「お目にかかる」は「会う」ことを、「お目にかける」は「見せる」ことを表していると理解しておけば、両者を混同せずにすむでしょう。

なお「お目にかける」はものだけでなく、「我が社のホープをお目にかけましょう」というように、目上の人に誰かを会わせるときに使うこともできます。

「お目にかかる」の類語・類義語とは?

「お目見え」は目上の人と面会すること

「お目見え(おめみえ)」は、目上の人と面会することを意味する言葉です。初対面で使われることが多く、ここから「デビュー」という意味合いで人物だけでなく、物にも使われるようになりました。

また、歌舞伎などで演者が初めて舞台にあがることや、江戸時代において直接将軍に拝謁することやそれができる身分のこと、奉公人が本採用前に短期間試用されることも指します。

「お目文字」は「お目にかかる」の女性語

「お目文字(おめもじ)」とは「お目にかかる」の女性語です。現代では耳にする機会が少なく、手紙文で用いられることがある程度です。

女性語は、かつて宮中に仕える女性たちが使った隠語「女房言葉(にょうぼうことば)」が由来で、しゃもじやおでんなどは今でも残っています。

性差が小さくなっている昨今ですが、「お目文字」は女性語であるため男性は使わないほうが無難です。

「お目通り」は貴人にお目にかかること

「お目通り(おめどおり)」とは、貴人にお目にかかることを表した言葉です。「お目通り」は「お目にかかる」より地位や身分が高い人が対象で、国王や大統領などに拝謁するときに使います。

なお「お目通り」と似た言葉の「お目通し」は、書いてあるものを読むことを指すものです。相手に書面の内容を確認してもらうときに使う尊敬語であるため、「お目通り」と間違えないようにする必要があります。

「見参する」は参上して目上の人と対面すること

「見参(けんざん・げんざん・げざん)」の意味は、目上の人と対面することです。対面や面会の謙譲語として用いられることが多い言葉ですが、もともとは公家が節会など宮中の宴会に出席することを指したものでした。

それが鎌倉時代中期以降、御家人が主君に謁見して臣従の意を示す臣従儀礼を意味するものになり、ここから対面や面会を表す語句となっていったのです。

「拝顔」とは人に会うことをへりくだって述べた言葉

「拝顔(はいがん)」とは、人に会うことをへりくだって述べた言葉です。「拝」という文字には、「おがむ」「さずかる」「お目にかかる」ことを表しています。また、熟語を読み下すと「顔を拝する」となり、顔を拝ませていただくという謙譲の意を表しているものです。

「拝顔の栄に浴する」という言い回しでよく用いられますが、日常生活で冗談めかして使うこともあります。

まとめ

「お目にかかる」の意味と例文のほか、敬語での表現や類語などを紹介しました。敬語に苦手意識を持つ方は少なくありませんが、尊敬語と謙譲語の使い分けを重点的に押さえておくと理解しやすくなります。加えてTPOに合った敬語を選べるようになれば、自信を持って人に会えるようになるでしょう。