「いずれか」の意味とは?「いづれか」との違いや使い方・例文も

「いずれか選んでください」のように使われる「いずれか」について、「いづれか」という表記も見たことがあるけれど、どちらが正しいのでしょうか。この記事では「いずれか」の意味や漢字、「いづれか」との違いを解説。また「いずれか」の使い方と使うときの注意点、類語などもあわせて紹介します。

「いずれか」の意味と漢字表記

「いずれか」の意味は「複数あるうちのどれか」

「いずれか」とは「複数あるうちのどれか」という意味の言葉です。「いずれか」は「どの」や「どれ」という意味の代名詞「いずれ」に助詞の「か」が結びついて、いくつかあるものから選び出すときの表現です。

例文
こちらにあるものの中から、いずれか1つを選んでください。

「いずれか」の漢字表記は「何れか」「孰れか」

「いずれか」は漢字で「何れか」または「孰れか」と書き表します。

「何れか」は常用外の漢字の使い方で、「何」という漢字は「なに」や「なん」と読まれることが多いです。一方「孰れか」は漢文で見られる漢字の使い方で、「いづれか」と読めば「複数あるうちのどれか」の意味になりますが、「たれか」と読むこともできて、その場合は「誰が」の意味になります。

「何れか」と「孰れか」のどちらも使い慣れない書き表し方で読めない人も多いので、「いずれか」はひらがなで書いた方がいいでしょう。

「いずれか」と「いづれか」どちらが正しい?

現代的仮名遣いの「いずれか」が好まれる

小説などを読んでいると、「いずれか」と「いづれか」の両方の仮名遣いが使われていることがわかります。その理由は、どちらかが間違いというわけではなく、「いずれか」と「いづれか」のどちらも正しい仮名遣いだからです。

「いずれか」は現代的な仮名遣いで多くの人に親しまれ一般的な書き方とされています。普段使うときは「いずれか」と書くようにしましょう。

「いづれか」は誤りではなく歴史的仮名遣い

「いづれか」は間違った仮名遣いではないのですが、歴史的仮名遣いのため現代ではあまり使われません。

古い本や、現代に書かれた小説でも過去のことを描写するシーンなどでは今でも「いづれか」が使われることがあります。

「いずれか」の使い方と例文

「いずれか」は「選んでほしい」と頼むときに使う

「いずれか」はいくつかあるうちのなかから選んでほしいと相手に聞くときに使われます。「~してください」と選ぶことを頼む文章や、「~ですか」のような疑問文でも「いづれか」は使われます。

例文

温かいお飲み物はコーヒーと紅茶、緑茶のなかからいずれかをお選びください。

「いずれか一つ」や「いずれか一方」はひとつ選ぶことを強調

「いずれか一つ」や「いずれか一方」というフレーズは使われることがよくあります。

「いずれか一つ」はいくつかある候補のなかから一つ選ぶときに使われて、候補が2つしかない場合には「いずれか一方」が使われます。これらのフレーズは、選ばれるものは一つだけであることを強調した表現です。

例文
  • こちらのクッキーのなかからいずれか一つをお選びください。
  • AかBのいずれか一方をお選びいただけます。

「いつか」が具体的に決まっていないことを表す

「いずれか」はまだ具体的に決まっていないという意味で使われることもあります。たとえば、日にちや時間など指し示すものが複数あり、「いつか」がはっきりしていないという状態を表しています。

例文
いずれかの日でミーティングを行う予定です。

「すべてや両方」という意味の反語として使う

「いずれか」は反語として使うこともあります。「反語」は、もともとの意味とは反対の意味を強調する表現方法。「疑問形」がよく使われます。

「いずれか」を反語として使う場合、本来の「複数あるうちのどれか」という意味から「どれもこれも」という意味になります。

例文
いずれかに間違いがあると思っているのですか。

上記の例文は「いずれか」を反語的に使った文章で、「どれに間違いがあると思っているのですか。いや、間違いはありません」という意味になります。

この「いずれか」の反語的な使い方は使われることはあまり多くないので、こういう使い方もあるという程度に覚えておくとよいでしょう。

「いずれか」の専門的な使い方

「いずれか」は数学用語として使われる

「いずれか」は数学用語として使われることもあり、その意味は「複数あるうちのどれか」です。数学の質問で、複数ある候補のうちから正しいものを選ぶような質問で使われます。

例文
n、n+1、 n+2のいずれかは3の倍数であることを証明せよ。

「いずれか」は法律用語としても使われる

「いずれか」は法律用語として使われることもあり、その意味は同じく「複数あるうちのどれか一つ」です。

例文
イ、ロ、ハのいずれかに該当すれば、適用される。

「いずれか」を使うときの注意点

「いずれか」は人に対してあまり使わない

「AさんかBさんのいずれかが伺います」のように「いずれか」が人に対して用いられることがあるのですが、現代ではあまり聞かれない表現です。

人に対しては「いずれか」よりは、「どちらか」を使い「AかBのどちらかが伺います」のように言います。また「どなた」を使って「AさんとBさんのうち、どなたがいらっしゃいますか」のように言うこともできるでしょう。

「いずれか」と聞かれて複数選ぶのは控える

「いずれか」の意味には「どれもこれも」という意味もあり、候補に挙げられるすべてを選んでもいいのではないかと思われるかもしれませんが、この意味は現在では使われていません。

「いずれか」は特に選ぶ数を指定されていない場合、候補の中から一つを選ぶときに使われる表現です。2つや3つなど複数を選ぶように指定されていれば、その数の分だけ選ぶということになります。

「いずれか」の類語と言い換え表現

「どちらか」は「二つのうちの一つ」

「どちらか」は、二つあるうちの一つを選ぶときに使われる表現です。「どちらか」は「いずれか」よりも多少くだけた表現になるため、ビジネスシーンでも使われるのですが、「いずれか」の方がより頻繁に使われます。

「どれか」は「複数あるうちの一つ」

「どれか」は、いくつかあるもののうちから一つを選ぶときに使われる表現です。「いずれか」と同じく不定称の指示代名詞なので、「いずれか」の言い換え表現としても使われます。

「どっちか」は「どちらか」のくだけた表現

「どっちか」は「どちらか」のくだけた表現で、日常会話で大人から子どもまで使われます。多少、雑な印象のある言葉のため、ビジネスシーンでは使われないでしょう。

「いずれか」の英語表現

「いずれか」は英語で「either」

「いずれか」が2つあるうちのどちらかを選ぶという意味で使われる場合には、英語で「either」を使います。

「AかBのいずれか」ならば、「either A or B」と表現します。

「one」を使って「いずれか」を表現する

2つ以上のもののうちから選ぶ場合には、「one」を使って英訳できるでしょう。

「ここからいずれかを選んでください」という文なら「Choose one of these, please」のように訳されます。「ここから」を「of these」で、「いずれか」をそのうちのひとつという意味に解釈して数字の「1」を意味する「one」を使います。

まとめ

「いずれか」とは「複数あるうちのどれか」という意味で、いくつかあるうちの中から選んでもらうときなどに使われる表現です。反語としての使い方はあまりされませんが、正しい使い方です。また「いずれか」という書き方が現代的仮名遣いなので、「いづれか」ではなく「いずれか」を書くようにしましょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。