「お声がけ」の意味と敬語表現とは?「お誘い」との違いや返し方も

ビジネスでも接客業でよく使われる「お声がけ」という言葉。「お声がけください」という言い回しでお客さまに声をかけることもあるでしょう。頻繁に使われる「お声がけ」ですが、相手に失礼にならずに正しく使えているでしょうか。

この記事では「お声がけ」の意味や使い方、使うときの注意点などを例文とあわせて解説します。

「お声がけ」の意味とは?

「お声がけ」の意味1「声をかけること」

「お声がけ」とは「声をかけること」という意味で、さらに「話しかけること」という意味で使われることもあります。

また、「お声がけ」は「お声掛け」と表記されることもあります。「掛け」という漢字が使われる理由は「お声がけ」は「声を掛ける」という慣用句が語源になっているからです。「お声がけ」という表記の方が見慣れているかもしれませんがどちらも正しい表記です。

「お声がけ」の意味2「質問」

「お声がけ」の「声をかけること」という意味が転じて、「質問」や「用命」という意味もあります。「用命」とは「用事を頼むこと」という意味で、「お声がけください」で「質問してください」や「ご用命してください」という意味になります。

この意味での「お声がけ」の使い方は、遠回しに相手に質問してもよいことを伝える表現なので、あらたまった印象があることからビジネスシーンでよく使われています。

「お声がけ」の意味3「誘うこと」

「お声がけ」には「誘うこと」という意味もあります。イベントなどに誘うときに使われます。

「お声がけ」は目上の人に使える敬語表現

「お声がけ」の「お」は尊敬の意味を表す接頭辞なので、「お声がけ」は尊敬を表す敬語表現です。そのため、上司や社外の人などにも使える丁寧な表現になります。

「お声がけ」と「お誘い」の違いとは?

「お誘い」とは 「勧誘すること」

「お誘い」は 「勧誘すること」という意味で、相手を催し物に参加するよう誘う言葉です。

尊敬を意味する接頭辞「お」がついていることから「お誘い」は尊敬表現であり、また尊敬表現にすることで、相手を無理やり誘うような強制的なニュアンスが抑えられています。

相手を誘うときには「お誘いしてもよろしいですか」のように使い、誘いを断るときには「お誘いいただいたのに申し訳ありません」のように使います。

「お声がけ」は「お誘い」よりも軽いニュアンス

「お声がけ」は「お誘い」と同じように「人を誘う」という意味がありますが、「お声がけ」は「お誘い」よりも相手を誘おうとする気持ちが弱まった印象になります。

そのため、ぜひ参加してほしいという気持ちが強い場合には「お誘い」を使い、その意味合いを弱めて丁寧さを強めたい場合には「お声がけ」が使われます。

「お声がけ」の使い方と例文

「質問してもよい」ということを伝える

「お声がけ」は相手が質問してもよいということを伝えるために使われます。ビジネスシーンでよく聞かれる使い方で、相手に遠慮せずに疑問することを促すときによく使われます。

例文
何かありましたら、いつでもお声がけください。

「お声がけ」は人を誘うときに使われる

「お声がけ」は相手を催し物などに誘うときに使われます。「お声がけ」が優しい印象の表現なので、「お声がけ」を使った誘い文句なら、相手に無理強いさせることのない誘う表現になるでしょう。

例文

次にパーティをするときにも、お声がけさせてくださいね。

「お声がけ」を接客で使う

「お声がけ」の「声をかける」という意味から、「お声がけ」は相手を呼ぶときに使われることがあります。接客する際に相手への気遣いやコミュニケーションを円滑にするためなど、ビジネスシーンで多く用いられています。

例文

準備ができましたらお声がけしますので、しばらくお待ちください。

「用事を言いつけてもよい」と相手に伝える

「お声がけください」は「用事を言いつけてください」という意味で使われることもあります。相手が自分に用を言いつけるのに戸惑わせないため、いつでも用事を言いつけてもよいことを伝えるために使われます。

例文
ご注文が決まりましたら、いつでもお声がけください。

「お声がけ」への返し方とは?

「お声がけいただきありがとうございます」

「お声がけいただきありがとうございます」とは、イベントなどの誘いを受けた時の返事や打診を受けて役職に就任したときの返事に使われる表現です。相手が誘ってくれたことに対する感謝の気持ちを表した丁寧な返答の仕方です。

他にも次のような「お声がけ」を使った返答の例があります。

「お声がけ」を使った返答の例文
  • お声がけいただき光栄です。
  • お声がけいただければうかがいます。

「お声がけをいただいたのに」とメールや口頭で断る

相手の誘いを断るときにも「お声がけ」が使えます。たとえばビジネスやプライベートにおいて、案内や提案を断る場合。断る理由を伝え、最後に「お声がけをいただいたのに申し訳ありません」と一言添えることが多いです。

相手が自分のことを気にかけ誘ってくれたことを「お声がけ」と表現し、断ってしまうことへの謝罪を続けることで丁寧に相手の誘いを断ります。

「お声がけ」を使うときの注意点

「お声がけします」は誤った表現

「お声がけ」を使った表現で「お声がけします」という表現が聞かれることがありますが、これは間違った言い回しです。

謙譲表現か丁寧語を使って表現すべきところを、「お声がけ」という尊敬を表す表現が混じっているため日本語として成り立っていません。声を掛けることを伝えたい場合は、「声をおかけします」と言うとよいでしょう

「いつでも声をかけてください」は相手との距離感に注意

「いつでも声をかけてください」は定型句のように使われていることがありますが、日頃から顔を合わせている同じ部署の人などに対して使うとよそよそしくなってしまいます。なぜなら、いつでも会える相手にわざわざ「いつでも」と言う必要がないからです。

「いつでも声をかけてください」はあまり合わない部署の人や自分と地位が離れている相手に使うようにしましょう。

「お声かけください」と言い間違えない

「お声かけください」のように「かけ」を濁らない言い方は間違った言い方です。「かけ」が濁音になる「お声がけください」が正しい表現になります。

「がけ」が濁る理由は「連濁」と呼ばれる日本語の法則にのっとっているからです。「連濁」とは、二つの語が結びついたときに後の語が濁音になるというルールをさします。

「お声がけ」の場合は、「声」に続く「かけ」が濁音になり「お声がけ」となります。

「お声がけ」の英語表現

「お声がけください」は英語で「let me know, please」

「お声がけください」は英語で「let me know, please」のように言い表せます。

「お声がけ」を直訳すれば「saying」や「speaking」などの「言うこと」や「話すこと」という意味の英語表現になりますが、この表現を使っても「お声がけ」が持ち合わせている意味を伝えられません。

「お声がけください」は「何かあればお知らせください」という意味に解釈できますので、それを英訳すると「let me know, please」になります。

また「なにかあれば」という意味の英文をつけるとより相手のことを意識したより丁寧な表現になります。

例文

“Please let me know if you need anything.”
「なにかあればお声がけください」

まとめ

「お声がけ」は「声をかけること」という意味ですが、相手に質問することをうながしたり誘ったりするときによく使われる表現です。「お声がけ」は丁寧な言葉なので目上の人にも使われますし、ビジネスシーンでは接客のときなどによく使われるでしょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。