「既成事実」の意味とは?使い方の例文と類語・英語もあわせて紹介

「既成事実」は、ビジネスをはじめ、一般的なニュースや裁判などのシーンなどで使われる言葉です。「事実」という言葉に「既成」という熟語を頭に付けた表現ですが、四字熟語として正しい意味を理解していますか?

ここでは「既成事実」の意味と使い方の例文、類語や英語などを交えてご紹介します。

「既成事実」の意味とは?

「既成事実」の意味は「事実上認めるべき事柄」

「既成事実(きせいじじつ)」とは、「事実として認めるべき事柄」を意味します。すでに起こってしまった事柄や事象に対して、「事実上、実際の事柄として承認しなければならないものごと」を表します。

「既成事実」とは、過去に起こった実際のものごとを意味しますが、それに加え「事実として受け入れなければならないものごと」というニュアンスが強く含まれている四字熟語となります。

「既成事実」の要「既成」の意味に注目

「既成事実」は「既成」と「事実」の二つの熟語表現で構成されている四字熟語です。それぞれの言葉の意味をひも解いてみると「既成」とは、「すでに出来上がっていること」、そして「事実」とは「実際にあった事柄や事実のこと」を意味します。

「既成事実」の意味を理解するうえで大切なのは、純粋なる「事実」ではなく、「既成」という表現を先頭に乗っけることで、「すでに存在する事実」という点を強調していることです。

「既成事実」の使い方と例文

認めざるを得ない状況で使うのが効果的

「既成事実」という表現をあえて使う場面とは、「実際は認めたくはないが、証拠や証人などが存在し、否が応でも事実を認めなくてはならない」という状況であることがほとんどです。

事実とは、実際に起こってしまったこと、また現実にある事柄や真実を意味します。そのため、本当はそうであると認めたくはないものの、実際的に起こってしまったために、「認めるしかない」という場合に使われます。言ってみれば「既成事実」がある場合は、そこに選択の余地はないということにもなります。

「既成事実」を使った例文

  • あらかじめ取引先の印をもらっておこう。こうやって既成事実があれば、部長もダメとは言わないよ。
  • 一度でも勝利をおさめておけば、それはれっきとした既成事実となるからね。そうすれば、スポンサーも徐々についてくるだろう。
  • 私のデザインがウェブサイトで高評価を得ている。この既成事実を認めてもらえば、商品化にいち早く繋がることは間違いない。

「既成事実を作る」とは?何をすることなの?

「既成事実を作る」は将来のために先に結果を作ること

「既成事実」はビジネスシーンや恋愛環境をはじめ、あらゆる戦略的な場面で好んで使われます。たとえば、あらかじめ「事実」を作り上げておいて、そこから「NO」と言えない状況に相手や周囲を追いやるという場面などが挙げられます。

この時に使われる言い回しが「既成事実を作る」です。

「既成事実を作る」とは、将来のために先に事実を築き上げておくことを意味します。未来の自分に好ましい状況に転ぶように、また周囲や求める環境に良きベネフィットが舞い込むように、あらかじめそういった事実を作るようなシーンで使われます。

「既成事実を作る」は恋愛や離婚のシーンなどで使われる

たとえば、誰から見てもカップルでしか見えない二人の有名人がいるとします。お互い付き合って数年が過ぎようとしていますが、二人の間柄は一般に公表されていません。しかしながら、二人がカップルであることは紛れもない事実であり、一般的にも周知されていることです。

このように「誰もが認めざるを得ない状況をあらかじめ作っておくこと」を「既成事実を作る」と言い回しを使って表します。

また、離婚をするために「既成事実を作る」こともあります。たとえば、夫婦でありながらお互いに別の生活を続けたり、夫婦としての関係が壊れている場合は、婚姻関係はありながらも実際的は夫婦としての営みは確立していないと言えます。そのため、離婚裁判や離婚に向けての話し合いなどで、夫婦としては不適合となる「既成事実」が認められることがあります。

「既成事実化」とは?ビジネスでどう使う?

「既成事実化」は事実として変化させること

「既成事実」を使った別の表現に「既成事実化(きせいじじつか)」があります。やや堅苦しい響きとなりますが、「既成事実を作る」と同様に、ビジネスシーンでもよく使われる表現です。

そもそも「既成事実化」の「化」には、「かわる」「新しいものになる」「改まる」という意味があります。つまり「既成事実化」とは「すでに存在する事柄を、改めて実際のこととして変化させていくこと」を表します。

「既成事実化」は、将来のために新しく事実を作り上げるのではなく、もともとある事柄を改めて「事実」として承認し、そういった風潮や状況などに変えていくことを指します。

「既成事実化」は商品プロモーションで使われる

「既成事実化」は、企業が提供する商品やサービスのプロモーションで「戦略」の一つとして使われることがあります。下記で、既成事実化の例を挙げてみます。

たとえば、あるホテルが数年前にスイーツのブッフェサービスを始めたとします。ケーキやプリンなどのごく一般的なデザートだけではなく、その年に流行った海外のスイーツや、抹茶を取り入れたデザートも取り入れました。

中でも常に人気の高かった抹茶プリンは、世間でも高い評価を受け続け、長年の間「抹茶プリンなら〇〇ホテルのスイーツブッフェ」と言われる程、誇り高い地位を守り続けています。このように、ホテルの顔として世間に強く認識してもらう、またそのように仕向けて、改めてブランディングしていくことを「既成事実化」と呼んでいます。

「既成事実」の類語は?

「既成事実」の類語は「れっきとした事実」「客観的事実」

「既成事実」の四字熟語での類語は見当たりませんでしたが、「既成事実」の意味と近い表現としては「れっきとした事実」や「客観的事実」などが挙げられます。それぞれの意味は下記の通りです。

既成事実の類語と意味
  • れっきとした事実:疑う余地がなく紛れもない事実
  • 客観的事実:第三者から見てもそうであると頷ける事実

もちろん「既成事実」のすべてが「れっきとした事実」や「客観的事実」とは言えませんが、否定することが難しく、誰もが納得するような確固たる事実と意味合いでは、「既成事実」と言い換えをすることもできます。

「既成事実」の類語を使った言い換えの例文

  • リーダーではないが部署の核として仕事をしてきたのは「既成事実」である。
  • リーダーではないが部署の核として仕事をしてきたのは「れっきとした事実」である。
  • リーダーではないが部署の核として仕事をしてきたのは「客観的事実」である。

このようにそれぞれ言い換えができますが、表現が持つ語勢とニュアンスに多少に違いがあるため、状況によって使い分けをしていくことが大切です。

「既成事実」を英語で表すと?

「既成事実」の英語1「an exiting fact」

「既成事実」を表す英語フレーズに「an existing fact」があります。意味は直訳のとおり「存在する事実」です。主に「事実」という点を強調する際によく使われるフレーズで、相手に承認を求める際や、正当に評価をしてもらいたい場合に使われます。

「既成事実」の英語2「an established fact」

「an established fact」とは「樹立した事実」また「承認された事実」という意味です。やや硬めのフレーズになりますが、多くの場合、すでに確立された法律や慣習などに対して「どうにも変えることができない、厳然たる事柄」に対して使われます。

「既成事実」の英語3「the fact that you can’t deny」

「既成事実」が持つ「否定できない事実」という意味では「the fact that you can’t deny」という文章も使うことができます。目の前の事実に対し、相手に「否定できない」ことを念押しする意図で使われますが、文章的にもストレートであるため、意味の通じやすい表現となります。

まとめ

「既成事実」とは、「事実と認めざるを得ない事柄や事象」のことで、誰から見ても否定できない事実を意味します。言葉が示す通り「すでに成り立っている事実」を表し、ビジネスや恋愛関係において使われます。

よく使う言い回しは「既成事実を作る」や「既成事実化」などがあります。相手に承認を求める際、土台となる事実を強調したい時は「既成事実」という表現を使いましょう。

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snowymt11
都内私立大卒(経済学部)、旅行会社、中堅商社を経て、豪州に移住。母親に小さい頃から「ことわざ」「言い伝え」「四字熟語」を毎日聞かされていた経緯あり。読んでいて疲れない記事書きがモットーです。日本最高!