「可否」の使い方とは?意味と「是非」「有無」との使い分け解説

「参加の可否を伺う」「可否を論じる」など、物事を決める際に「可否」という表現を使うことがあります。この「可否」の意味と使い方について、例文で詳しく解説します。また、「可否」と似たワード「是非」や「有無」との使い分け、「賛否」「可不可」などとといった類語についても併せて説明しましょう。

「可否」の意味とは

「可否」とは「よいかよくないか」「賛成と不賛成」を意味する

「可否」とは、「よいか、よくないか」といった事の善し悪しを意味します。また、「賛成と不賛成」「可決と否決」の意味もあり、物事を議論する際にもよく用いられる単語です。

「可否」の読み方は「かひ」

「可否」は「かひ」と読みます。「可」は良いと認めることを、「否」は同意しないこと・そうではないと打ち消すことなどを意味する漢字です。つまり、「可否」は真逆の意味を持つ漢字を並べた熟語ということになります。

相反する意味を持つ漢字を並べた熟語はほかにも「是非」や「有無」「賛否」「可不可」などがあり、混同しやすい熟語もあります。ニュアンスの違いや使い分けについては、後で詳しく解説します。

「可否」の使い方と例文

「可否を伺う」「可否を問う」などと使う

ビジネスシーンにおける「可否」は相手の意見、意向を確認する際に「可否を伺う」や「可否を問う」の言い回しで用いられることが多いでしょう。たとえば、「社長に可否を問う」とは「社長によいか、よくないか聞く」というニュアンスです。その内容によっては、賛成か反対か、あるいは許すか許さないか、できるかできないかについて尋ねるという意味になる場合もあるでしょう。

例文
  • まずは部長に可否を伺うべきだ。
  • 可否を問われても、この程度の情報では判断しようがない。

また、「部長に、社長の可否を聞いてもらうように頼んだ」と使うと、「部長に社長の(よいとするかよくないとするかという)意向を~」という意味合いになります。

「参加の可否」は「参加できるかどうか」

出欠の確認を取る場合に「参加の可否を10日(木)までにご連絡ください」として案内を回すことがあります。この場合の「参加の可否」は端的に言うと「参加が可能かどうか」という意味です。

「可否」は「よいかよくないか」「賛成か不賛成か」という意味ですが、「参加の可否」の例のように「可能かどうか」の意味で用いられることも多いです。

「可否を探る」は「賛成か反対か」のニュアンスに

「可否を探る」とは、たとえば計画を進める際にその案がよいかどうかについて議論する、という意味で用いられます。また、その案について賛成か反対かを決める、というニュアンスにもとることができます。

例文

提案営業ではしっかりとヒアリングをし、相手の可否のボーダーラインを知ることが大切だ。

「可否判断」とは「よいか、よくないかを決めること」

「可否判断」とは文字通り、「よいか、よくないかを決めること」を意味します。たとえば、「ワクチン接種の可否判断」とは「ワクチン接種をよいとするか、よくないとするかの判断」という意味です。

また、何らかの問題を前にどうしたらよいか、あるいはどうしたらよくないのかを決めることを指して「可否判断」と使うケースもあります。「国際大会開催の可否判断」というと、国際大会が危ぶまれる中、開催をどうすべきかの判断する」といったニュアンスになります。

「可否」と「是非」「有無」の違い、使い分け

「是非」は「道理にかなうことと、かなわないこと」

「是非(ぜひ)」とは「正しいか、正しくないか」「道理にかなうこと、かなわないこと」を意味します。「可否」の持つ「よいか、よくないか」という意味には、「是非」の意味が一部含まれる、共通するものがあるともいえるでしょう。

一方で、「是非を問う」とした場合には「理にかなうかどうか」が重要な判断基準となります。たとえば「参加の是非を問う」は「参加すること自体が、正しいのか正しくないのかを問う」というニュアンスです。「参加できるかどうか」という意味の「参加の可否」とは意味合いが変わります。

「有無」は「ものの有り無し」を意味する

「有無」とは文字通り「ものの有り無し」「あることと、ないこと」という意味です。「可否」や「是非」のように「よいか、よくないか」といったニュアンスはありません

「有無」と「可否」は意味が異なるため、使用シーンも変わってきます。たとえば「参加の可否を問う」は「参加できるかどうか」という未来に言及していますが、先のことに対して「参加の有無を問う」と使うことはまずないでしょう。「参加の有無を調べる」など過去の参加実態、実績について話題にする際に使用することが多いです。

「賛否」は「賛成か不賛成か」

「賛否(さんぴ)」とは「賛成か、不賛成か」という意味で、「可否」もこの意味で用いることが可能です。ただし、「参加の可否」のように個人の意向をたずねる意味で「参加の賛否」と使う例はあまり見られません。「大会参加への賛否が問われている」や「賛否を議論する」「賛否両論」などの表現で用いられることが多いでしょう。

「可不可」は「可能か、不可能か」

「可不可」とは「可能か、不可能か」を意味します。そう頻繁に用いられるワードではありませんが、「可」と「不可」という反対の意味を持つ単語を並べた表現です。たとえば、「参加の可否を問う」は「参加できるかどうかを問う」という意味になりますが、この意味では「参加の可不可」が類似表現と言うことができます。

「可否」の類語、言い換え

「可否」の類語は「善し悪し」「適否」

「可否」と似た意味の表現では「善し悪し」や「適否」が挙げられます。「善し悪し」とは文字通り、「物事の善悪、良い点と悪い点」を意味します。一方「適否」とは、「適するか否か」を意味し、たとえば条件に合っているかどうか、適するかどうかを話題にする際に使う表現です。

「可否」は「妥当性」に言い換えられる場合も

「妥当性」とは端的に言うと「適合する度合い」のことで、「可否」はこの「妥当性」に言い換えられる場合があります。たとえば、先に挙げた「可否判断」は「妥当性を判断する」「妥当性を議論する」と言い換えることができます。

「可否」の英語訳

「可否」を直訳すると「right or wrong」

「可否」は英訳すると「right or wrong」となります。「right or wrong」は「可否」のほか「是非」の和訳が宛てられることもある表現です。「賛成と反対(賛否)」という意味では、「pros and cons」や「for and against」などの表現が用いられます。

例文

There were a lot of opinions, pro and con, on the question.(その問題に関しては、多くの意見、賛否があった)

英文では「whether」を使って表現する例も

日本語の「可否」は英語では「~かどうか」という意味の「whether」を使って表現される場合もあります。「Whether or not」で「~してもよいかどうか=~の可否」というニュアンスの英語表現として使用できます。

例文
  • Whether or not this project becomes successful depends upon its manager.(このプロジェクトの成功の可否はマネージャーにかかっている)
  • Whether or not you can take pictures depends on the place.(場所によって撮影の可否は異なります)

まとめ

「可否」とは「よいか、よくないか」「賛成か、不賛成か」を意味するワードで、ビジネスシーンでは「可否を問う」「可否を探る」などの表現でよく用いられます。これに対し「是非」は同じ物事の善し悪しでも「理にかなっているか、そうでないか」を基準に議論する場合に用いるのがポイントです。

一方、「有無」は単に「あるなし」を意味し、良いかどうかといったニュアンスは含みません。それぞれ似た使い方をしますが、類語として使える場合とそうでない場合があり、ニュアンスの違いに応じた使い分けが求められます。