「生かす」と「活かす」はどっちが正しい?意味と使い分け方も解説

「経験をいかす」と書きたい時、「生かす」か「活かす」のどちらなのか、迷ったことはありませんか。どちらも正しいように見えて、かといって、どちらも正しいと言うと変な感じがします。

今回は「生かす」と「活かす」の意味と使い分け方を解説します。また「いかす」を使うときの注意点や英語表現も紹介します。

「生かす」と「活かす」それぞれの意味

「生かす」の意味は「生き返らせる」「活用すること」

「生かす」にはいくつかの意味がありますが、一つは「生命」と関係のある意味で「死にかけたものを生き返らせること」や「死なないようにすること」という意味です。

「死にかけたものを生き返らせること」は「蘇生」とも言い換えられる意味で、死にそうな状態の生物を生き返らせるという意味です。一方、「死なないようにする」とは死なないように生命を保たせることを指しています。

また「生かす」には「活用すること」という意味もあります。知識や経験、能力など人の持つ特徴や目に見えない事柄を効果的に使うことを指しています。

さらに「一度消した文字や文章などをもう一度使うこと」という意味もあり、「一度消した文章だがもう一度生かす」のように使います。

「活かす」の意味は「活用すること」

「活かす」の意味は「生かす」の意味と同じです。しかし「活かす」の「活」という漢字から、「活用すること」や「有効的に使うこと」という意味で使われることが多い言葉です。知識や経験、能力など使って役立てることを指します。

「生かす」と「活かす」の違いとは?

「生かす」は常用漢字「活かす」は常用外漢字

「生かす」と「活かす」の違いは、常用漢字か常用外漢字という違いがあります。「生かす」は常用漢字ですが「活かす」は常用漢字ではありません。「活」という漢字自体は常用漢字なのですが、「活かす」と使われるときには常用外漢字になります。

「常用漢字」とは内閣訓令と同告示によって発表されている常用漢字表に登録されている漢字のことで、全2,136字あります。現代の生活において使うべき漢字として推奨されている漢字になります。

そのため、「生かす」は積極的に使うことが推奨されているのに対して、「活かす」は常用漢字ではないことからテストや公式の書類などでは使われない言葉望ましい言葉です。

「活かす」は主に「活用する」の意味で使われる

「生かす」は「生き返らせる」や「もう一度使うこと」などの複数の意味で使われるのですが、「活かす」は「経験や能力を活用する」の意味で使われることがほとんどです。

本来なら「いかす」は「生かす」と「活かす」の両方の漢字に置き換えられるのですが、「活」という漢字が活用するという意味合いが想像されやすいため、「活かす」は主に「活用する」という意味で使われています。

「生かす」と「活かす」の使い分け方

「生かす」はあらゆるシーンで使える

「生かす」は、「生かす」という言葉が持つすべての意味で使われています。「死にかけているものを生き返らせること」や「命を長く維持する」という意味、また知識や経験、能力など人の持つ特徴や目に見えない事柄などをうまく使うと言った意味でも使えます。

「生かす」を使った例文
  • 枯れかけている花を日向に移して、毎日水やりをして生かした。
  • 拾ってきた動物を生かすために、エサをあげて飼育した。
  • アルバイトで身につけた接客スキルを生かせば仕事が見つけられるはずだ。

経験や能力は「活かす」がよく使われる

「活かす」は経験や能力など人の特徴や人の能力に関わる事柄を効果的に使う、「活用する」という意味でよく使われます。

例文
失敗した経験を活かして、次の計画は慎重に進めた。

「生かす」か「活かす」で迷った時は?

常用漢字「生かす」を使う

状況や感情によって「生かす」と「活かす」の使い分け方に迷うときもあるでしょう。そのようなときには常用漢字である「生かす」を使うのがおすすめです。

常用漢字である「生かす」なら間違いはないため、ビジネス文書などの公式な文書やプライベートで使うメールや手紙でも「生かす」が使えます。

類語やほかの表現に言い換える

「生かす」か「活かす」のどちらを使うべきか迷ったときには、類語に言い換えることも一つの方法です。類語に言い換えることのメリットは、「いかす」の意味がより明確になることです。

「活かす」の類語には「活用する」や「役立てる」があり、「経験を活かす」なら「経験を活用する」や「経験を役立てる」のように言い換えられます。「活用する」や「役立てる」を用いることで、経験を使うという行為がより明確な意味合いを帯びてきます。

「いかす」を使うときに注意すること

公用文では「生かす」か「いかす」を使う

公用文では「生かす」か、ひらがなで表記した「いかす」が使われます。なぜなら「生かす」は常用漢字だからです。

「公用文」とは国や都道府県の行政機関である地方公共団体などの行政機関が発行する文書のほかに、官公庁に宛てた文書や会社が発行する正式な文書など幅広い意味で使われています。

ここで指す「公用文」とは、主に行政機関が発行する文書のことで、そうした文書では常用漢字を使うことが定められています。そのため「生かす」が使われ、常用漢字ではない「活かす」は使いません。

履歴書では「活かす」を使うことが多い

履歴書に「○○の経験をいかして~」と言った文章が使われることがありますが、履歴書では「活かす」がよく使われます。

履歴書で「いかす」が用いられる場合は経験や能力、特性などをいかすという意味で「いかす」と表現することが多いためです。

「生かす」と「活かす」の英語表現

「生き返らせる」という意味の「生かす」は「revive」

「死にかけたものを生き返らせる」という意味の「生かす」なら英語で「revive」が使えます。「revive」は「生き生きした」という意味の古語「vive」に、「再び」という意味の接頭辞「re-」で成り立っています。

「revive」は「死んでいるものが生き返る」という意味でも使われるのですが、「死にかけているものが生き返ること」という意味でも使えます。

「経験を生かす/活かす」の意味なら「make use of」

「経験を生かす/活かす」の意味なら「make use of」や「utilize」が使えます。経験や能力のように生かされるものでメリットにつながるようなケースで「make use of」が使われます。「of」のあとは名詞がくるので注意してください。

一方「utilize」は「make use of」よりもかしこまった表現になり、ビジネス文書でも正式な文書で使われることがある「活用する」という意味の英単語です。

「経験を生かす/活かす」の英語表現
  • “I make use of my experience”
    「私の経験を生かす」
  • “We start a business that utilizes renewable energy.”
    「再生可能エネルギーを生かした事業を始める」

まとめ

「生かす」と「活かす」は漢字違いで同じ意味の言葉として使えるのですが、「活かす」は主に「活用する」という意味で使われることが多いです。そのため「生かす」はいろいろな意味で使われるのに対して、「活かす」は「活用する」という意味で使われることを覚えておくといいでしょう。

ただし「活かす」は常用外漢字のため、公式の文書では「生かす」かひらがな表記にします。また迷った場合も「生かす」を使っておけば間違いありません。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。