「天上天下唯我独尊」の本当の意味とは?読み方や使い方の例文も

「天上天下唯我独尊」という言葉を聞いたことがありますか?「お釈迦様」の言葉としても知られていますが、本当の意味や語源はよくわからないという人もいるでしょう。誤用の多いことわざの一つですので、意味や使い方のポイントを理解しておくと安心です。ここでは「天上天下唯我独尊」の本当の意味や読み方の他、実際に多い誤用の例、類語や英語を紹介します。

「天上天下唯我独尊」の本当の意味と読み方

本当の意味は「誰もがみな、ただ一人の尊い存在である」

「天上天下唯我独尊」の意味は「誰もがみな、この世でたった一人の尊い存在である」という意味があります。この世界には数十億人という人が存在しますが、誰一人として同じ人はいないということを表すことわざです。

「天上天下唯我独尊」の「天上天下」とは「全世界」「全宇宙」を指し、「唯我独尊」とは本来「我々人間の誰もが、一つの崇高な使命や目的を持っている」という意味を持ちます。

つまり、この二つ熟語が合わさり「この世界の誰もが尊い存在であり、使命を持って生きている」というニュアンスになります。これが「天上天下唯我独尊」の本当の意味です。

読み方は「てんじょうてんげゆいがどくそん」

「天上天下唯我独尊」の正しい読み方は「てんじょうてんげゆいがどくそん」です。「てんじょうてんげ」を「てんじょうてんが」と誤読しがちですが、正しくは「てんじょうてんげ」となります。

「天上天下唯我独尊」とはお釈迦様の言葉

「天上天下唯我独尊」とはお釈迦様の言葉です。そして、この世に生まれ持った人はどの人も同じではなく、誰もがみな尊い存在であるという意味を持ちます。あなたはあなただけ、自分は自分だけしかいないという意味です。

仏教の開祖である釈迦は、生を受けて間もなく、東西南北に向けて「天上天下、唯我のみ尊しと為す」と手を挙げて歩きながら言ったそうです。あくまで伝説として伝わる話ですが、この言葉が「私だけが尊くかけがえのない存在である」と解釈され伝わったとされています。

ちなみに釈迦は、孔子やイエス・キリストと並ぶ「世界三大聖人の一人」です。母親「マーヤー」の右脇から生まれたという説は有名ですが、その後仏教の開祖「仏陀(ブッダ)」としても名をはせていきました。

「天上天下唯我独尊」のポーズは「右手は天、左手は地」

「天上天下、唯我のみ尊しと為す」と自分の尊厳を語った釈迦ですが、この時にとったポーズが「右手を天、左手を地に指す」ものでした。このポーズをした釈迦像は特別に「誕生仏」と呼び、多くの寺で見ることができます。

4月8日はお釈迦様の誕生で、お釈迦様の誕生を祝うイベントとして「花祭り」が催されます。境内の花御堂に置かれた灌仏桶に甘茶をためて誕生仏にかけ誕生を祝福する習慣があり、別名「灌仏会(かんぶつえ)」とも呼ばれています。

「天上天下唯我独尊」の使い方と注意点とは?

「私は世界一」という意味では本来使わない

「天上天下唯我独尊」は誤用の多い表現の一つです。「唯我独尊」の「唯」「我」「独」「尊」それぞれの漢字が「私は唯一の存在である」「我独りが尊い存在である」といった誤ったイメージを与えることもあり、「私一人が偉い」と意味で誤って理解してしまうことが多いようです。

しかしながら、実際「唯我独尊」は「自分を尊く解釈し、偉いと思うこと」「自分より優れている人はこの世にいないと自惚れること」と辞書にも書かれています。そのため、ことわざ全体の解釈において混乱してしまう人が多いです。

たとえば、「あの政治家は独りよがりで、天上天下唯我独尊な態度が許せない」とするのは、本来の意味では誤りとなります。

「お釈迦様の言葉」として覚えると誤用しにくい

「天上天下唯我独尊」ということわざに関して、前述の「自分だけが偉くて、自分より勝る人はいない」という意味で使うのは誤用です。これでは自分をおごった傲慢な姿を表す意味となってしまい、お釈迦様の言葉として考えた場合に疑問を感じるでしょう。

現代では「唯我独尊」を「独りよがりでお高くとまること」に対して使う傾向がありますが、「天上天下唯我独尊」の本当の意味は「誰もが唯一の存在で、かけがえのないもの」となります。つまり、謙虚で相手を敬い、尊重するような姿勢に対して「天上天下唯我独尊」という言葉を使うのが適切となります。

「天上天下唯我独尊」を使う際は、お釈迦様の口から出た言葉ということを意識しながら相手やシーンを選ぶようにしましょう。

「天上天下唯我独尊」を使った例文

  • 人は誰もが似たもの同士で価値がないだなんて、天上天下唯我独尊ていう言葉を知っているかい?
  • 天上天下唯我独尊というように、私達はたった一人の尊い存在なのだよ。

「天上天下唯我独尊」の類語とは?

「唯一無二」とは「この世でただ一つであること」

「唯一無二(ゆいいつむに)」とは「この世の中でたった一つであること」を意味します。他に同じものがなく並びのない事柄、また人を表します。

「唯一」も「無二」も、二つとなく類のないことを意味しますが、二つの言葉をかけ合わせることで「尊く大切である」ことを強調しています。

「オンリーワン」とは「たった一つのものごと」

「オンリーワン」とは英語の「only one」を語源に持つカタカナ語で、「たった一つの」「かけがえのない」という意味です。「代わるものがない」「類のない」というニュアンスを持って使われます。

「オンリーワン」を人に対して使う時は「かけがえのない大切な存在」という気持ちを添え、愛情表現の一つとして用いることが多いです。

「天上天下唯我独尊」を英語でいうと?

英語1「precious thing」は「かけがえのないもの」

「precious thing」とは「かけがえのないもの」という意味があります。「precious」には「貴重な」「大事な」、「thing」は物事を抽象的に捉えた時に使う単語です。

「precious thing」は、商品や一般的な物事のほか老若男女問わず大切な人に対して「他に代わるものがない大切なもの」という意味を込めて使われます。

英語2「priceless」は「お金に換えられない」

「priceless」は「お金に換えられない」「尊い」という意味を持つ単語です。その価値をお金に換えることは不可能である、つまり「値段踏みできないほど、非常に貴重な」という意味があります。

「priceless」はモノや人に対してだけではなく、経験や努力など目に見えないものに対しても使われます。

その他の英語フレーズ

「天上天下唯我独尊」を表すその他の英語フレーズとして、「この世に使命を持って生まれる」という意味の「You are born for a reason」が挙げられます。

「天上天下唯我独尊」には「この世でたった一つの存在」という意味と共に「誰もが尊い使命と目的を持って生まれる」という意味合いも持ち合わせています。このフレーズでかけがえのない大切な人への思いを伝え、生きる力を与えることができるでしょう。

まとめ

「天上天下唯我独尊」はお釈迦様の言葉で「この世界の誰もがみな、ただ一人のかけがえのない尊い存在である」という意味です。また「てんじょうてんげゆいがどくそん」が正しい読み方となります。「唯我独尊」は「自分より優れている人はいない」という「自惚れ」や「独りよがり」の意味で使われることはありますが、ことわざとしての意味は異なるため使うシーンには気をつけましょう。

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snowymt11
都内私立大卒(経済学部)、旅行会社、中堅商社を経て、豪州に移住。母親に小さい頃から「ことわざ」「言い伝え」「四字熟語」を毎日聞かされていた経緯あり。読んでいて疲れない記事書きがモットーです。日本最高!