「圧巻」の意味と由来とは?間違いやすい言葉や類語・英語の例文も

「圧巻」という言葉は、中国の古い出来事や古典が元となった故事成語のひとつです。「このシーンは圧巻だった」など、作品の中で最も素晴らしい部分を表現するときに使用します。

この記事は「圧巻」の意味や由来・成り立ちについての解説です。使い方と例文の他に類語との違いや英語表現についても紹介します。

「圧巻」の意味とは?

「圧巻」の意味は「最も優れているところ」

「圧巻(あっかん)」とは「ある物事の中で他と比べて最も優れている箇所」や「その中で最も優れているところ」をさす言葉。書籍や映画などさまざまな作品の中で、最も素晴らしいシーンについて「この作品で圧巻なのは最後のシーンだ」などと表現します。

また、スポーツなどの集団の中で最も優れた人やプレーに対しても使える言葉です。

「圧巻」とは故事成語のひとつ

「圧巻」は故事成語(こじせいご)のひとつです。故事成語とは、中国の古い出来事や数千年以上前に著された古典が元となりできた、教訓や戒めの言葉。物語や歴史はもちろん中国の習慣なども由来となっています。

「圧巻」の由来・成り立ちは「答案用紙の保管方法」

「圧巻」は、中国で行われていた科挙(かきょ)という官僚登用試験に由来した言葉。「圧」には「おさえつける」という意味があります。また「巻」は「巻物」や「書物」という意味ですが、ここでは「科挙における官僚登用試験の答案用紙」のことをさしています。

科挙の試験では採点の際にわかりやすいよう、点数の高いものが上になるよう答案用紙を重ねる習慣がありました。「圧巻」という漢字の成り立ちは、優秀な成績の答案用紙(巻)が他のものを上からおさえつける(圧)ようすを表したものです。

最も優れた答案用紙という意味で「圧巻」という言葉が使われるようになり、転じて「ひとつの物事の中で最も優れている部分」をさす言葉になりました。

「圧巻」の使い方と例文

「最も優れているもの」をさすときに使う

「圧巻」という言葉は、他と比べて最も優れている箇所や部分をさすときに使う言葉です。

たとえば、書物や舞台・映画などの作品において、最も優れている場面について述べるときに「この作品で圧巻なのは終盤の展開だ」などと表現します。また、スポーツなどの試合で最も素晴らしい場面に対して「彼の決勝ゴールは圧巻でした」などといった使い方もできます。

単に「優れている」という意味で使うのは誤用

「圧巻」とは、他と比べて最も優れているという意味です。そのため、単に「優れている」や「素晴らしい」という意味で使用することは、本来は誤用です。

たとえば、「圧巻な景色だ」と表現した場合、それまで見たものと比較して最も素晴らしという意味ならば問題ありません。しかし、単に「素晴らしい景色」というニュアンスであれば誤用です。ニュアンスの違いがわかりづらいこともあり、近年では単に「優れている」「素晴らしい」という意味で使う人も増えています。広く浸透しつつありますが、本来は誤用であることは知っておきましょう。

また、「圧巻した」や「圧巻された」といった使い方も誤用です。正しくは「圧巻な場面」や「圧巻だ」など名詞として使用しましょう。

「圧巻」を使った例文

  • この映画はオススメですよ。特に圧巻なのは最後の長セリフなので見逃さないように。
  • 今日の試合、あのベテラン選手が放った決勝ゴールが圧巻だったね。
  • ピアノコンクールでの彼の演奏が圧巻だったので、結果を待たなくても優勝だろうと思った。

「圧巻」の類語・類義語とは?

「圧巻」の類語は「見どころ」や「見せ場」

「圧巻」の類語には「見どころ」や「見せ場」があります。

「見どころ」とは「見ておくべき部分や見る価値のある部分」です。たとえば、映画において内容の盛り上がるシーンを「この映画の見どころだ」などと表現します。

「見せ場」とは「見る価値のある場面や見せたいシーン」のこと。たとえば舞台などでしっかりと見てほしい見るべき場面を「この舞台の見せ場は主役が宙を舞うところだよ」と表現します。

最も優れている部分という意味の「圧巻」に対し、「見どころ」「見せ場」は見るべき価値のある部分というニュアンスです。ほぼ同じ意味とも言えるため、場合によっては言い換えとしても使えます。

「ハイライト」も「圧巻」の類語

「ハイライト」には2つの意味があります。ひとつ目は「写真や絵画などで最も明るい部分」のこと。もうひとつは、「演劇や書籍などの作品において最も見るべき部分」のことです。

「圧巻」の最も優れている部分という意味に対し、「ハイライト」の最も見るべき部分という意味は、ほぼ同じ意味と言えるでしょう。

「圧巻」と間違えやすい「圧倒」「壮観」とは?

「圧倒」とは「周囲よりも優れている」こと

「圧倒(あっとう)」は周囲を押さえることであり、周りよりも優れているや抜きんでているという意味の言葉です。

「圧巻」はある物事や作品の中で最も優れているというニュアンスですが、「圧倒」は比較する相手がもっと外にあるというニュアンスなのが大きな違い。たとえば、映画について称賛する場合、その作品の中の優れている部分をさす場合は「圧巻」、他の映画と比べて優れているという意味であれば「圧倒」を使用します。

例文
  • この映画のラストシーンは圧巻だ。
  • この映画は今年公開された他の映画を圧倒する素晴らしさだ。

「壮観」とは「素晴らしい眺め」

「壮観(そうかん)」は素晴らしい眺めのこと。景色などの見た目が素晴らしいという意味です。眺めや光景など見えているものをさす言葉で、一般的に他のものに対しては使いません。

「圧巻」は他と比べて最も優れているという意味ですが、「壮観」は単に「素晴らしい眺め」を意味しているのが、大きな違いでしょう。素晴らしい景色について表現するには「圧巻な景色」ではなく「壮観な景色」が適しています。

「圧巻」の英語表現とは?

「圧巻」とは英語で「the best pert」「masterpiece」

「圧巻」を英語で表現するには「the best pert」というフレーズが適しています。「best」は「最もよい」や「最上」という意味で、「part」は「部分」という意味の単語。「the beat pert」は作品などに対し「最も良い部分」という意味であり、「圧巻」の英語表現に使えるフレーズです。

例文

The best part of this movie was the last scene.
(この映画で圧巻だったのはラストシーンでした。)

「素晴らしいもの」や「傑作」という意味の「masterpiece」も「圧巻」の英語表現として使えます。ただし「masterpiece」は主に絵画やデザインなどアート作品に対して使用する単語です。他にも「見せ場」というニュアンスの「highlight」も「圧巻」の英語表現として使えます。

まとめ

「圧巻(あっかん)」は中国の古典を元とした故事成語のひとつ。「ある物事の中で他と比べて最も優れているもの」という意味の言葉です。

書物や映画など作品の中で最も素晴らしいシーンについて「このシーンは圧巻だ」などと表現するときに使用します。また、本来は誤用ですが単に「優れている」という意味で使用する人も増えており、浸透しつつあります。

類語には「見どころ」や「見せ場」などがあり、場合によっては言い換えとしての使用も可能です。また「圧倒」や「壮観」は「圧巻」とは意味が異なりますが、似ているために使い方を間違えやすい言葉。正しく使い分けるためにも「圧巻」の正しい意味をしっかり把握しておきましょう。