「お気をつけて」の正しい敬語表現とは?メールや言い換えの例文も

目上の人を見送る際に「どうぞお気をつけて」、あるいはアポイントを取るメールで「当日はお気をつけて」と伝えることがありますが、これでは敬語として不足しています。「お気をつけて」は相手を気遣うフレーズですが、単独では正しい敬語にはならないのです。「お気をつけて」の意味と使い方を例文で詳しく解説します。

「お気をつけて」の意味と使い方

「お気をつけて」は「気をつけて」と同じ意味

「お気をつけて」とは、「気をつけて」を丁寧にした表現です。

そもそも「気をつけて」とは、「注意して、用心して」という意味ですが、これに接頭辞「お」をつけて目上の人にも使える丁寧な表現としたのが「お気をつけて」です。目上の人に対して注意を促す際や身体を気遣う意味で用いられます。

「お気をつけて」だけでは敬語として使えない

「お気をつけて」は敬語ではありますが、「お気をつけて」だけで使うことはできません。「気をつけて」は動作を形容する表現であるため、動詞と組み合わせる必要があるのです。たとえば、「お気をつけて~してください」あるいは「お気をつけください」とするのが正しい使い方です。

「お気をつけて~してください」には様々な動詞が入り、「お気をつけてお越しください」「お気をつけてお帰り下さい」はその代表例でしょう。後ほど詳しく例文で紹介します。

「お気をつけてください」ではなく「お気をつけください」

「お気をつけて」は「お気をつけて~してください」と使うことはあっても、「お気をつけ””ください」とは言いません。この場合は「お気をつけください」というのが正しい使い方です。

なお、「ください」という表現は命令口調にとらえられてしまう懸念もあります。相手の印象を和らげたい場合には「くださいませ」とするとよいでしょう。

親しい間柄では「お気をつけて」で済ませることも

一方で、オフィス内では「お気をつけて」と笑顔で見送ることもあります。直属の上司や先輩社員など、目上の人でも親しい間柄では口頭表現として「お気をつけて」を許容する例も少なくありません。社内の慣習に合わせましょう。

「お気をつけて」への返事は「ありがとう」

「お気をつけて~してください」や「お気をつけください」と相手に言われた場合は、「ありがとうございます」と返すのが一般的です。心配してくれたこと、気遣ってくれたことへの感謝を示します。

また、「夕方は雨の予報です。お気をつけてお帰りください」と言われた場合には「わかりました、ありがとうございます」というように、シーンに合わせて言葉を足しても良いでしょう。

「お気をつけて」を使った表現と例文

【お気をつけてお越しください】は来訪予定の人へ

自分のところに来る予定の人には「お気をつけてお越しください」や「お気をつけていらしてください」と伝えます。取引先の人とのアポイントを取るメールの末尾に使用することが多く、面接の予定をとった際に人事側が使うこともあります。

例文

当日は○○様とお会いできるのを楽しみにしております。どうぞお気をつけてお越しください。

【お気をつけてお帰り下さい】は見送る際に使う

お客様を見送る際には「お気をつけてお帰り下さい」が定番フレーズです。メールで使うよりも口頭表現として用いることが多いです。

打ち合わせを終えて見送る際には「お疲れさまでした、お気をつけてお帰り下さい」と言葉を足すこともあります。雨の日には「お足元が悪いのでお気をつけてお帰り下さい」とつけ足しても良いでしょう。

例文
  • 近ごろ日暮れが早くなってまいりましたので、どうぞお気をつけてお帰り下さい。
  • 以上で本日のプログラムはすべて終了となります。皆様お気をつけてお帰り下さいませ。

【お気をつけて行ってらっしゃいませ】は出張に向かう上司へ

相手を見送る場合でも、外回りに出る先輩社員や出張に向かう上司に対しては「お気をつけて行ってらっしゃいませ」というフレーズを使用します。

慣習的に外回りに出る営業社員には「いってらっしゃい」と声をかける職場の場合はその慣例に従って問題ありませんが、部長など役職を持つ人には「お気をつけて行ってらっしゃいませ」の方が丁寧です。

【お気をつけてお戻りください】はこれから戻る相手に

「お気をつけてお戻りください」はこれから会社に戻る人に対して使用する表現です。他社の人を見送る際ではなく、これから自社に戻る人に対して使うのが適切です。たとえば、出張先の上司や外回り中の上司と連絡を取った際に使える表現です。

【お気をつけてお過ごしください】は体調を気遣う表現

「お気をつけてお過ごしください」は相手の身体を気遣う言い回しです。「お体にお気をつけてお過ごしください」として使うことも多く、「体に気をつけて」を丁寧にしたフレーズともいうことができます。また、身体を気遣う意味では単に「お気をつけください」とすることもあります。

例文
  • 暑い日が続きますので、体調にはお気をつけてお過ごしください。
  • 時節柄、お体にはお気をつけください。

【以下の点にお気をつけください】で注意を促す

「お気をつけて」は、相手の安全や健康を気遣うフレーズとして使われる一方で、具体的な注意を促す際にも用いることができます。たとえば、「記入に際しては以下の点にお気をつけください」や「応募に際しては以下の点にお気をつけください」としたうえで、注意事項を箇条書きにして示す例が挙げられます。

「お気をつけて」の類語・言い換え表現

似た意味の表現は「ご注意ください」

「お気をつけください」と似た表現では「ご注意ください」が挙げられます。「注意して」の丁寧な言い回しで、「お足元が悪いようですのでご注意ください」などの表現で使用できます。

相手の体調を気遣う「ご自愛ください」

「体調にはお気をつけください」「お気をつけてお過ごしください」のように、相手の身体を気遣う表現では「ご自愛ください」が言い換えとしてです。

「ご自愛ください」とは「自分を大切にする、自分の健康を気遣う」という意味で、メールや手紙の文末によく使用されます。「時節柄、どうぞご自愛ください」「暑さ厳しき折、くれぐれもご自愛くださいませ」などの言い回しで用いられます。

「お気をつけて」の英語訳

英語では「take care」「safe」

英語で「気をつけて」という意味の表現は「take care」です。「お体にお気をつけください」という場合は「take care of yourself」の形でもよく用いられますが、単に「Take care.」と伝えるだけでも「お気をつけください」というニュアンスになります。

また、「安全に」という意味の「safe」を使い「Be safe on your way back.」も「お気をつけてお帰り下さい」の和訳が宛てられる表現です。車を運転して帰る人には「Drive safe on your way back.」の表現が用いられることもあります。来訪予定の人には「Be safe on your way here.」で「お気をつけてお越しください」のニュアンスとなります。

まとめ

「お気をつけて」は「気をつけて」を丁寧にした表現ですが、動作を形容する表現であるため親しい間柄を除いてはそのまま使うことはできません。「お気をつけてお越しください」や「お気をつけてお帰り下さい」のように「お気をつけて~ください」に当てはめて使用するのが通例です。また、動詞を使わずに「(~に)お気をつけください」の形で使うこともできます。「お気をつけて」で言葉をきらずに使うのがポイントです。