「その節は」の意味と使い方とは?例文解説と類語・言い換え表現も

久しぶりに会った人に「その節はありがとうございました」「その節はお世話になりました」と言葉をかけることがありますが、この「その節は」とはどういった意味で使われているのでしょう。「その節は」の意味と使い方を例文で詳しく解説します。また、「その節は」の類語や言い換え表現、英語訳についても触れています。

「その節は」の意味とは

「過去の出来事」を話題にする表現

「その節は」とは過去の出来事を話題にする際の表現で、「あの時」や「この前」という意味です。「節」という漢字には、「くぎり」や「時、おり」という意味があり、この場合は時間的な区切りや物事の区切りを意味しています。

「あの時」「この前」よりもやや丁寧な印象を与えることから、ビジネスシーンでは「その節は…」という言い回しでよく用いられます。

「その説」と書くのは間違い

「その節」と同じ読みをする表現に「その説」があります。どちらも「そのせつは~」として文頭で用いられることが多いため混同されがちですが、「その説」とは「その意見、その考え」を意味する表現です。たとえば、何らかの意見や解説を指して「その説は誤りだ」という使い方をします。

「あの時、その時」という意味では「その節」を使用するため、文章で用いる場合は漢字の変換ミスにも気をつけましょう。

「その節は」の使い方と例文1:感謝

「その節はありがとうございました」と感謝する

「その節は」とは、「その節はありがとうございました」と過去の出来事に感謝を述べる際によく用いられます。以前何かに協力してもらった、頼み事を聞いてもらった、というような場合に「その節はありがとうございました」とお礼を述べます。この場合「その節」は「お世話になったこと」「頼みごとを聞いてもらった事」を指しています。

例文

その節はご多忙の中ありがとうございました。

「その節はお世話になりました」と感謝を述べることも

感謝を述べる際の言い回しでは「その節はお世話になりました」という表現も可能です。「その節は大変助かりました」も似た表現で、「その節はありがとうございました」と同様に使うことができます。

例文

その節は大変お世話になりました。今回のプロジェクトでもどうぞよろしくお願いいたします。

「その節は」の使い方と例文2:謝罪

「その節は申し訳ございませんでした」と謝罪する

「その節」のもうひとつの使用例が謝罪です。たとえば「その節は申し訳ございませんでした」というと、過去の出来事に対して謝罪する一文になります。「その節は…」と切り出すことで、目の前にある出来事や現在起きている事柄を謝罪するのではなく、過去のトラブルに対する謝罪になるのがポイントです。

「その節はご心配おかけしました」と詫びる

その節はご心配おかけしました」もまた、謝罪でよく用いられる表現です。たとえば、「その節は多大なるご心配をおかけしました」というと、過去に迷惑や心配をかけたことを詫びる文章です。「その節はご迷惑おかけしました」も似た使い方をします。「申し訳ございませんでした」と後に続けることも多いでしょう。

例文
  • その節は多大なるご迷惑をおかけしました。申し訳ございませんでした。
  • その節はご心配をおかけしました。おかげさまで順調に回復しております。

「その節はご迷惑おかけしました、ありがとうございました」すると謝罪とあわせて、対応してもらった事への感謝を示す文章となります。

「その節は」の間違った使用例とは

未来に対して「その節はよろしくお願いします」と使わない

「その節は」は感謝を述べる際や謝罪する際に用いられますが、「その節はよろしくお願いします」という表現は間違いです。「その節」は過去の出来事、過去のある時点を指す表現であるため、未来の出来事をさして使うことはできません

似たような間違いとして「その節はお世話になります」も挙げられます。「その節はお世話になりました」は過去を話題にしているので問題ないのですが、「その節はお世話になります」と現在や未来について述べることはできません。

お互いが「共有していない出来事」には使えない

「その節は」という表現は過去の出来事であっても、相手と共有していない事柄には使用しません。加えて、相手がすぐに思い出せないような過去の出来事に対して使うのも避けたいポイントです。

たとえば、10年以上も前の事柄を「その節はありがとうございました」と言われてもピンとこないことも多いものです。年数を経た出来事に関しては「その節は」とするのではなく言葉をつけ加えるのがよいでしょう。

例文

卒業してからもう10年ですね。その節は大変お世話になりました。

「その節は」の類語・言い換え表現

「その際は」とは「未来」に対して使う類語

「その節は」と同様に「その時」を意味する表現には「その際は」があります。「その節」が過去の出来事を指すのに対し、「その際」は現在あるいは未来の特定の時点を指すときに使用する表現です。「その際はよろしくお願いいたします」「その際はぜひお声がけください」などと使うことができるでしょう。

「その折は」とは「過去と未来」に使える言い換え表現

「その折は」「その折には」もまた、「その時、その機会には」という意味の言い換え表現です。「その折」は過去、未来どちらの出来事を指して使用できるのが特徴で、「その折はお世話になりました」と「その節」の言い換えとして使うことができる場合もあれば、「その折はお声がけください」といった使用も可能です。

「その節は」を言い換えるなら「先日」「先般」

「その折は」以外にも「その節は」は、「先日」や「先般」などのワードに置き換えることができます。

「先日」とは数日から数週間前を指すのが一般的で、長くても1ヶ月ほど前を指して用いられます。「昨日」よりは前ですが、半年以上も前という場合に使用することは少ないです。一方「先般(せんぱん)」とは「このあいだ」という意味で、「先日」同様に比較的近い過去を指す単語です。

いずれも、感謝や謝罪を示す際に「先日は…」「先般は…」として使うことができます。

「その時」はややフランクな印象に

「その時」は未来と過去、どちらの時点を指しても使える表現です。ただし、いずれの場合もフランクな印象を与える単語であるため、ビジネスシーンにはやや不向きです。「その節」や「その際」といったワードに置き換えるのが適切でしょう。

「その節は」の英語訳

「その節は」には英語「the other day」を使う

「その節は」は英語では「先日」を意味する「the other day」に英訳することができます。英語には敬語がないため「その節はありがとうございました」は「Thank you for the other day.(先日はありがとう」と英訳して問題ありません。

また、「Thank you for your assistance the other day.」のように「先日の援助」に対して感謝を表現する英文に、「その節はお世話になりました」との和訳が宛てられることもあります。

まとめ

「その節は」とは「その時」という意味で、過去の出来事を話題にする際に用いられる表現です。「その節はありがとうございました」「その節は申し訳ございませんでした」と感謝や謝罪で使うことが多いのが特徴です。

「その節は」を使うポイントは、お互いが共有する過去を話題にすること。遠すぎる過去について話題にする場合は、言葉をつけ足すなどの配慮が求められます。また、現在~未来に関しては「その節は」ではなく、「その折は」や「その際は」といったワードを使用します。