「お茶を濁す」の意味や語源は?使い方と例文や類語との違いも

その場しのぎでごまかすことを「お茶を濁す」と言います。この「お茶」の語源は「抹茶」です。漫画が原作のドラマでも使われていたりと身近な言葉ですが、正しい意味を把握していますか?

この記事は「お茶を濁す」の意味や由来をはじめ使い方や例文についての解説です。類語との違いや英語表現についても紹介します。

「お茶を濁す」の意味とは?

「お茶を濁す」の意味は「その場しのぎでごまかすこと」

「お茶を濁す」の読み方は「おちゃをにごす」です。意味は、その場しのぎでごまかして逃げたり避けたりすること。「濁す」には「澄んだ液体を汚す」と言った意味の他に「あいまいにする」という意味もあります。「お茶を濁す」とは、その場を取り繕うためにごまかしたりいい加減な言動をすることで乗り切ったりするようすをさすことわざです。

はっきりと説明することで解決することもありますが、一歩間違えるとトラブルに発展する可能性も。あえてはっきりとさせずその場はごまかして波風を立てないというのは、日本独自の考え方や慣習のひとつでしょう。

「お茶を濁す」の語源・由来1「茶道の作法」

「お茶を濁す」の語源・由来はいくつかの説があります。

ひとつは茶道の作法です。ここでの「お茶」は緑茶や紅茶ではなく抹茶のことをさしています。抹茶を点てるためには茶道の知識が必要です。茶道の作法を知らない人が見様見真似でお茶をかき混ぜても、ただ濁るだけでうまく点てることはできません。

ここから、その場しのぎでごまかしたりいい加減な言葉で取り繕ったりすることを意味する「お茶を濁す」ということわざにつながったと言われています。

「お茶を濁す」の語源・由来2「お茶を話題にすること」

もうひとつの説は、その場しのぎのためにお茶の濁りぐあいを話題にすることです。

目の前のお茶の濁りぐあいを話題にすることでその場しのぎをして、話題を変えたり逸らしたりすることがあります。ここから「お茶を濁す」という言葉の、その場しのぎでごまかしたりいい加減な言動で話題から逃げるというという意味につながったとも言われています。

「お茶を濁す」の使い方と例文

答えたくない話題をごまかして取り繕ったとき

「お茶を濁す」という言葉は、何かをごまかしたりいい加減な対応をしたりして、話題から逃げたり避けたりしたことの説明や要約として使われます。

たとえば、会社で飲み会に誘われたが断ったときなどです。「飲み会に誘われたが、行きたくないからお茶を濁して断った」などと表現することで、その場しのぎで適当にごまかして断ったというニュアンスが伝わります。この場合には「お茶を濁した」や「お茶を濁してしまった」などの言い回しで使います。

とりあえずの対応で取り繕ったとき

「お茶を濁す」は言動に対して使える言葉。いい加減なことを言って取り繕うだけではなく、いい加減な対応など行動に対しても使います。

たとえば、迷惑をかけた相手に対してとりあえずの対応だけでその場を取り繕ったときなどです。「迷惑をかけたので、頂いたお饅頭をそのまま渡してお茶を濁した。」などと表現します。迷惑をかけたにもかかわらずその場しのぎの対応をしたというニュアンスが伝わります。

相手にごまかされ逃げられたとき

「お茶を濁す」は自分のことだけではなく、いい加減な言動でごまかそうとする相手に対しても使えます。

たとえば、相手に質問をしたが適当な返事でその話題を避けられたときなどです。「彼女に質問をしたらお茶を濁して話題を変えられた」などと表現します。その場しのぎの返事で話題を避けられたというニュアンスが伝わります。

「お茶を濁す」を使った例文

  • 部長に飲み会に誘われたけど、参加する気になれなくて適当にお茶を濁して断った。
  • 同僚に彼氏のことを聞かれたのでお茶を濁して話題を変えたけど、また聞かれたらどうしよう。
  • 彼はプライベートなことを聞かれるとお茶を濁して避けているようだ。
  • あれだけ迷惑をかけておいて、お饅頭ひとつでお茶を濁そうだなんて失礼だろう。

「お茶を濁す」の類語・類義語は?

「お茶を濁す」の類語は「言葉を濁す」

「言葉を濁す(ことばをにごす)」とは、はっきりとした内容は言わず、あえてあいまいなことを述べることやそのようすをさす言葉です。本当のことが言えない場合にあいまいなことを言う場合も「言葉を濁す」を表現します。また、その場で急いで結論を出したくない場合などに「言葉を濁す」ことで先送りにするという使い方もあります。

その場しのぎでごまかすことという意味の「お茶を濁す」は言葉だけではなく態度なども含みますが、「言葉を濁す」は文字通り「言葉」をあいまいにするというニュアンスです。

例文

遅刻の理由を聞かれたけど約束忘れていたからとは言えず、言葉を濁した。

「うやむやにする」も「お茶を濁す」の類語

「うやむやにする」とは物事をはっきりとさせないこと。意図的にそういう言動をして物事をごまかすようすをさす言い回しです。漢字の場合には「有耶無耶にする」と書きます。

「耶」は疑問を表す役割の漢字。「有る」と「無し」に疑問を表す「耶」を加えることで「有るのか無いのかはっきりしない」という意味になります。ここから「うやむやにする」という言葉の「はっきりとしない」という意味につながっています。

「お茶を濁す」のその場しのぎでごまかすという意味合いに対し、「うやむやにする」は物事を意図的にはっきりさせずごまかすという意味。ほぼ同じ意味ではありますがニュアンスが多少違います。場合によっては言い換えとして使ってもよいでしょう。

例文

両親から離婚の原因を聞かれたけど本当のことが言えなくて、結局うやむやにしてしまった。

「口を濁す」も類語とされるが誤用の可能性も

「口を濁す(くちをにごす)」とは、はっきりとしたことは言わないであえてあいまいなことを述べることやそのようすをさす言葉。同じく似た言葉である「言葉を濁す」と意味合いが同じとして使う人も増えており、浸透しつつある表現です。

しかし、辞書によっては「お茶を濁す」や「言葉を濁す」が正しい言い回しとされ、「口を濁す」は誤用とされている場合もあります。どちらが正しいのかははっきりとはしていませんが、誤用と認識している人もいるため、使用する際には注意が必要です。

「お茶を濁す」の英語表現は?

「お茶を濁す」は英語で「dodge the subject」

「お茶を濁す」を英語で表現するには「はぐらかす」や「ごまかす」という意味の「dodge the subject」が適しています。

「dodge」は「サッとかわす」や「素早くよける」といった意味を持つ単語。「dodge the subject」は「話題や主題(subject)を避ける」というニュアンスで「お茶を濁す」の英語表現として使えるでしょう。

また「核心に触れないで避ける」や「話をごまかす」というニュアンスの「avoid the main issue」も「お茶を濁す」の英語表現として使えるフレーズです。

まとめ

「お茶を濁す(おちゃをにごす)」とは、その場しのぎでごまかしたりいい加減な言動をして取り繕ったりして話題から逃げること。茶道の作法を知らない人が見様見真似でお茶をかき混ぜても濁るばかりで上手に点てられないことが語源とされています。また別の説では、お茶の濁りぐあいを話題にして話を変えたり逸らしたりすることが由来とも言われています。

類語は「言葉を濁す」や「うやむやにする」などです。

その場しのぎでいい加減な言動をするというニュアンスから、ネガティブな印象も与える表現ですが、はっきりと本当のことを話すことでかえってトラブルの元になることも。あえてはっきりとさせずその場はごまかして波風を立てないという考え方が「お茶を濁す」という言葉に集約されているとも言えます。